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アンナ・ポリトコフスカヤさんの追悼集会に行きました。そのレポートです。 聞きながら取ったメモが元なので細部異なる部分はあると思いますが、 ニュアンスまでは変わらないようにしたつもりです。 ![]() 日時:10/12 19:00〜21:00 場所:文京区民センター2A会議室 ※チェチェン総合情報に、もっと詳細な追悼集会のレポートがあります。 (このエントリにリンクをいただいています。拙い文章に恐縮ですが、ありがとうございます) <会場のようす> 大きく引き伸ばして白黒印刷した、2002年IWMF Courage award受賞時の笑顔のアンナさんの写真が張られていました。 演壇の斜め前、客席の前にカラーの遺影の額が置かれ、来場者の献花が飾られていました。 19時前に到着しましたが、既に座席の前方3分の1ほどがもう埋まっていました。 20時過ぎに休憩が入りましたが、そのときは一番後ろまで満席。 会場の定員が210名でしたが、170名ほどが来場していたようです。 <集会の内容> ○司会の青木正さんの開催の言葉の後に、全員で黙祷 (予定していた2004年のBS放送、ロシアジャーナリスト暗殺についての番組上映は、機材不具合のため中止) ○大富亮さん弔辞 「皆が知らせたがらないことを知らせてくれた人。 ロシアの人々も、チェチェンの人々も、彼女の読者である我々含めた世界中の誰も、 彼女を暗殺から守れなかった、無念です」 ○林克明さん:チェチェンとアンナさんについての話 アンナさんについて: モスクワ劇場占拠事件中に会った。 脅迫されていたこともあり、緊張した、険しい表情の写真も多いが、林さんのイメージは 会場前方に張られた柔らかい笑顔の方のアンナさん。淡々と話す女性だった。 彼女はロシア国内ではそれほど知られていなかった。 彼女が記事を書いていた新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」は発行部数40万部足らず、 読者層はモスクワなど都市部のインテリ層、地方にはほとんど出回っていなかった。 おそらく彼女の暗殺の真相は解明されないだろう。 チェチェンの状況について: 9.11事件後の99年以後、現在もロシアとの戦争状態が続いている。 以前のようにミサイルが飛び交う状態ではないが、依然として人が殺されている。 やや昔の情報で、人口100万人中死者20万人、行方不明者18000人。 ロシア軍はチェチェン人、チェチェン在住のロシア人も区別無く攻撃。 決めた範囲内を全滅させるというような、現代的ピンポイント攻撃とは逆の、第二次大戦時のような物量作戦。 また市民・兵士・老若男女関係なく無差別に人々を拉致、拷問し、殺して遺体を放置するなど。 (アンナさんの本には、穴に埋められる拷問を受けたお婆さんの話が書かれている) ロシアのメディアについて: ペレストロイカ以後、現在も表向きはテレビや新聞雑誌、インターネットなどの報道は規制されておらず、 言論の自由は顕在であるように見える。 実際は、TV局・大手出版社など大手メディアはすべてプーチンに買い占められ、 あるいは乗っ取られて支配下に置かれている。 「ノーヴァヤ・ガゼータ」などの独立系メディアは、その活動自体を禁止されてはいないが、 大手メディアからは取るに足りない小規模な勢力である。 (影での妨害工作はあるようだ。「ノーヴァヤ・ガゼータ」も輸送中の列車での妨害などがあったらしい) 日本について: 日本のメディアもあまり変わらない。大手メディアはすべて政権支持である。 そして有事法案はじめ、戦争のための雰囲気づくり、体制づくりが行われている。 自衛隊はまだイラクで輸送支援などを行っている。 共謀罪の制定、教育基本法の改悪も行われようとしている。 アンナさんの死によって、ロシアの現状の恐ろしさもあるが、他人事ではないと思った。 日本ではジャーナリストが襲われたり死んでも、あまり反応がない。 そして、もし日本の一部が(例えば沖縄が)独立を望み、国がそれを許さずに戦争になったとき、 それを取材できる日本人ジャーナリストはいるだろうか?98%不可能だろう。 このままでは、日本もロシアのようになってしまう。 チェチェン取材はライフワークだが、今はその何倍も日本のことをしなければならないと思っている。 ○稲垣収さん:ロシアについて チェチェン戦争とプーチン: チェチェン戦争によってプーチンは伸し上がり、ロシアで絶大な支持と権力を得た。 メディア、主要産業を牛耳っているばかりでなく、9.11以降テロリズムとの戦いに必要との理由で、 ロシア以外の各州の選挙権も剥奪、プーチンが直接指名するようになっている。 KGB時代の人脈を駆使し独裁を行う。ロシアはソ連時代に逆行している。 ロシアのジャーナリスト暗殺について: プーチン大統領就任後のロシアでは毎年2人の記者が暗殺 (配布された資料を短縮) 過去15年で、世界でジャーナリストにとって危険な国は 1.イラク 2.アルジェリア 3.ロシア イラクもアルジェリアも戦争や紛争中の国だが、ロシアではプーチンが権力の座に就いてから平時にジャーナリストが暗殺されている。 暗殺された記者リスト ・イゴール・ドムニコフ(42)ノーヴァヤ・ガゼータ紙で文化・教育欄担当。自宅アパート入口でハンマーで殴られ死亡。石油産業の汚職を取材していた同紙の他記者と間違われた? ・セルゲイ・ノヴィコフ(36)スモレンスクの独立系ラジオ局ヴェスナのオーナー。自宅アパートビル入口で射殺。放送で同地方行政部の汚職を非難していた。 ・イスカンダル・ハトロニ(46)ラジオ・リバティのモスクワ支局員。アパートで頭を斧で叩き割られ死亡。チェチェンにおけるロシア軍の人権弾圧の記事を執筆中だった。 ・セルゲイ・イヴァノフ(30)ラダTVディレクター。自宅アパートで射殺。 ラダTVは市内最大の独立系TV局で、所在地域の政治に影響力があった。 ・アダム・テプスルガイエフ(24)隣人の家を訪問中、銃殺。 第一次チェチェン戦争時、外国人ジャーナリストの運転手・コーディネーターとして活動。 その後フリーとしてロイターに寄稿していた。 ・エドアルド・マルケヴィッチ(29)地方紙ノーヴィ・レフトの編集・発行人。死因不明。 地元役人を批判していた。死亡する以前にも謎の襲撃者から脅迫や暴行を受けていた。 ・ナタリヤ・スクリル(29)ナーシャ・ヴレーミヤ紙経済記者。 冶金工場の権力闘争取材中、鈍器で殴られ死亡。 ・ヴァレリー・イワーノフ(32) ・アレクセイ・シドロフ(31) 犯罪、汚職調査記事で有名な新聞トリャッティンスコエ・オボズレーニェ紙記者。自宅の外で射殺。 シドロフはイワーノフの後継者で、殺害時イワーノフの死の調査をしていた。 ・ドミトリー・シュヴェツ(37)TV21総ディレクター、TV局ビル外で射殺。 ・ポール・クレブニコフ(41)ロシア版フォーブズ誌編集長。モスクワのオフィスの外で走行車から銃撃され死亡。ロシア新興財閥(オリガルヒ)に関する詳細記事を掲載していた。 ・マゴメッドザギッド・ヴァリソフ:週間ノーヴァヤ・ジェラのジャーナリストで政治学者。帰宅途中の車を銃撃され死亡。政敵を紙面で攻撃し、脅迫を受けていた。 上記の他に、突然行方不明になったり、取材先で消息不明(ロシア軍に攻撃されることもままある)になった者もいるので、実際の人数はもっと増えるとのこと。 他、「チェチェン やめられない戦争」の訳者の方の弔辞、協賛団体代表者の方のスピーチがありましたが割愛。 レポートは以上です。 ジャーナリストはじめ、暗殺されたと思われる政治家や実業家らの捜査はまともに行われておらず、犯人もまったく挙がっていないという情報をどこかで見ました。 皆、仕事場近く、または自宅近くで殺されていますね。 権力に立て付いた者へのみせしめ、報復という示威を感じます… 聞いていてよそごとではないと思いましたが、語った本人が皆最後には「他人事ではない」と言っていたのが印象に強かったです。 私が常に持っている危機感の感覚と非常に近い。 でも大手メディアしか見てない大多数の日本人は、そういう危機感を持っていない… それが戦争に向かう社会への進行を黙認し、擁護してることにもなるように思え、辛い。 さすがに聞きに来ている人たちは皆、話されていることについて把握していたようだったけれど。 関連エントリ:アンナ・ポリトコフスカヤさん暗殺される 追記:JANJANに追悼集会の記事あり。 アンナ・ポリトコフスカヤさん追悼集会〜プーチン政権とチェチェン戦争〜 |
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すぐにレポートしていただき、ありがとうございます。参加できなかった私には、とてもありがたい内容です。それにしてもロシア人ジャーナリストの暗殺の多さには絶句します(BSのロシアジャーナリスト暗殺についての番組は見ていたのですが…)。こんなことが世界からなくならないとダメですね。 |
ビー 2006/10/13 20:28 |
ビーさん、こちらにもコメントありがとうございます。 |
Fay 2006/10/13 21:43 |
はじめまして。 |
レイランダー 2006/10/15 14:29 |
レイランダーさん、はじめまして。 |
Fay 2006/10/15 18:07 |
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